「自費出版のお役立ち情報」第4号

自費出版のお役立ち情報 第4号

「自費出版のお役立ち情報」第4号をお届けいたします。

自費出版で注意すること−8
本に自分の連絡先を載せてはいけない

本に対する感想や本を通して新しい出会いを期待して、巻末に著者の方がご自身の住所や電
話番号を掲載されているのをよく見かけます。しかし、残念ながら、その連絡先を見て電話なり
手紙を送ってくるのは期待した読者からではなく、2冊目の出版を勧誘するものであったり、新
聞や雑誌へ本の広告を勧誘するものであったりと、ほとんどが営業のコンタクトです。
物販や会員募集が目的の出版なら当然連絡先を掲載しなければなりませんが、そうでない自
費出版や自分史の場合は、巻末にプロフィールは掲載しても、連絡先まで掲載されることは避
けた方が良いと思います。もし、読者の反応を知りたいのなら、出版社に依頼して読者カードを
挟んでおいてもらうのが最善の方法でしょう。一旦出版社を経由して、コンタクトのあった人に
著者から連絡できる態勢を取っておいた方が良いと思います。
どれだけ営業のコンタクトが多いかの面白い事例があります。
昨年、自費出版のフェアを催した時、自費出版された方々に体験談を語っていただくイベント
を同時に開催いたしました。その席である方が出版の失敗談として、ご自身のお住まいの連絡
先を掲載したところ、九州のある新聞社から広告を載せませんかと毎日のように電話があった
と報告されました。すると、会場のあちらからもこちらからも、「私も」「私のところへも」と声が上
がり、その新聞社の話題で持ち切りになりました。また、せっかく気持ちよく出版したのにある
出版社からは、なぜそんな出版社から本を出したのかというような営業もあったそうです。
広いようで狭いのが出版の業界です。あまり著者の方々に嫌われるような営業をされている
と、いずれ世間に知れ渡ることになります。営業活動される方々への苦言を呈しつつ、著者の
皆様へは巻末に個人の連絡先を掲載されないようにご注意申し上げます。

自費出版で注意すること−9
費用について(2)安心な見積もりを依頼する方法

良い本を安く作るためには、まず最初にどのような本を作りたいのかを的確に出版社の担当
者に理解してもらわないといけません。
内容については原稿を見せ、本の体裁については市販されている本の中から希望する体裁に
近いものを数冊選んで、編集者に見せるのが最も手っ取り早い方法です。編集者は原稿の内
容を読み、著者が希望されている本の形を見て、具体的に提案をしていくことが出来ます。全く
の無から、編集者といろいろ意見を交えながら本を作ることも楽しいものです。編集者が提案
するデザインや体裁に意見を出して変更していくのも、本を作る楽しみかも知れません。しか
し、その分、経費の割増に繋がっていくことにご注意ください。
安く良い本を作るという意味では、あらかじめ他の人が出した本で、希望する体裁の本を見つ
け出しておく努力も必要かと思います。そのためにも、より多くの読書が必要になってきます。
最近の自費出版ブームでよく取りざたされているのが、読者=著者の構造で、書くことばかり
に夢中になり、自分が書いたものしか読まず他の本を知らずに自費出版される方が多いと言
うことです。
自費出版を考えておられる方は、もっと多くの本を読み、読書から文章力を高めながら、その
一方で本のデザインにも注意を払い、本の基礎的な体裁を勉強していってください。出版社に
足下を見られないためにも、本や出版に関する基本的な知識は必要になってきます。
あとは、市場ニーズの調査で発行部数が決まり、無理な部数の注文を出さなければ、安全な
見積もりが出版社より提案されることになります。


第4号 了

引き続き第5号をお読み下さい

「自費出版のお役立ち情報」第5号
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